長浜市病院事業におけるカスタマーハラスメントに対する基本方針
令和8年9月30日策定
長浜市病院事業では、どなたに対しても安全で質の高い医療を受けていただくるよう、また信頼される関係を構築できるよう心がけています。
その一方で、患者さんや利用者、その家族のほか、病院と関わりのある様々な方から、職員の人格を否定するような心ない言動、理不尽で執拗なクレームといった、迷惑行為が見受けられるようになりました。このような行為は「カスタマーハラスメント」と言われており、患者さんの療養環境や職員の就業環境を害する深刻な問題となっています。
当病院事業にて実施した職員アンケート調査および部署ヒアリングでも、「カスタマーハラスメントを受けたことがある」「対応に大変苦慮をした」といった声が多く寄せられました。
カスタマーハラスメントは、多くの職員の身体的・精神的負担となっているほか、業務効率を低下させ、患者さんや利用者への医療提供にも大きな影響を与えます。
また、令和8年10月1日施行の改正労働施策総合推進法において、カスタマーハラスメントの防止措置は、事業主において雇用管理上の義務となりました。
これを踏まえ、職員の安全と心身の健康を守るとともに、良質な医療提供体制を維持するため、「長浜市病院事業におけるカスタマーハラスメントに対する基本方針」を策定しました。
カスタマーハラスメントの定義
1. 職場において行われる、患者や家族、取引の相手方、施設の利用者、その他の病院事業が行う診療・事業に関係を有する者の言動であって
2. 職員が従事する業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えたものにより
3. 当該職員の就業環境が害される(※)こと
(※)「職員の就業環境が害されること」とは、職員が身体的または精神的苦痛を受けることによって、その就業環境が不快になり、能力の発揮に重大な悪影響を及ぼすことを指します。
カスタマーハラスメントになりうる行為の例
(1)患者さん・家族等からの要求内容に妥当性がないもの
・病院の提供する医療サービスに過誤(ミス)や過失が認められないもの
・要求の内容が、病院が提供する医療サービスの内容とは関係がないもの
(2)要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なもの
ア.要求内容の妥当性に関わらず不相当とされる可能性が高い言動
・身体的な攻撃(暴行・傷害)
・精神的な攻撃(脅迫、中傷、名誉棄損、侮辱、暴言、強要)
・威圧的な言動
・土下座の要求
・継続的(繰り返される)、執拗な言動
・拘束的な言動(不退去、居座り、監禁、長時間の電話や対応)
・差別的な言動
・性的な言動
・職員個人への攻撃、プライバシーに関する要求
・器物の破壊
・撮影行為(録音含む)等、SNS等への職員のプライバシー情報の投稿
イ.要求内容の妥当性に照らして不相当とされる場合がある言動
・交通費の請求や診療費の不払い要求
・金銭補償の要求
・謝罪の要求
※上記の言動は、対面、電話、電子メールまたは文書によるものを指します。
カスタマーハラスメント対策の柱
当病院事業では、カスタマーハラスメントに対して、職員や他の患者さんなどを守るため、以下の点を重要な視点として対応します。
◆組織的対応の徹底
職員個人ではなく複数で対応し、院内での情報共有や記録化等、病院組織全体で毅然と対応します。
◆法的措置・応招義務の適切な解釈
特に悪質と判断した事案に対しては、警察等の関係機関に通報するとともに、民事および刑事上の法的措置(損害賠償請求など)を行います。
また、当病院事業と患者さんなどとの間で診療を継続するための信頼関係が破綻していると判断した場合は、医師法および歯科医師法に規定の応招義務の範囲外として、診療の拒否や退去命令、出入り禁止等の措置を行います。
カスタマーハラスメントの防止措置・対応の例
○施設内およびホームページ等で基本方針の周知・啓発を行う
○複数人対応、バックアップ体制の構築を徹底する
○カスタマーハラスメントを受けた職員の心身のケア・サポート体制を整備する
○カスタマーハラスメントに対する職員研修を実施する
○事実経過を正確かつ丁寧に記録する
○注意喚起ポスターの掲示等による予防措置を行う
○危険行為がある場合は、ただちに警察等の関係機関へ通報・相談を行う
当病院事業の姿勢
病院理念・基本方針に基づいて、当病院事業では患者さんをはじめ病院に関わりのあるすべての方に対して、真摯に対応し、期待に応えることで安心かつ満足度の高い医療を提供することに力を尽くします。
一方で、カスタマーハラスメントは病院職員や他の善良な方々に支障を及ぼし、人権侵害を招く問題行為であり、組織として毅然とした態度で対応します。
すべての方々に対し、相互の信頼関係の確保、円滑で良好な病院環境維持のためのご理解とご協力を求めます。
