臨床工学技術科

 臨床工学技術科は臨床工学技士13名が所属し、生命維持管理装置を中心とした医療機器の操作および保守・管理を行っています。主な業務は血液浄化療法業務、人工呼吸器管理業務、手術室業務、心臓カテ-テル検査業務、不整脈関連業務、機器管理業務などです。また、機器トラブルや緊急症例に備えて24時間オンコ-ル体制で対応しています。

月曜日〜土曜日、祝日 日曜日
早出、日勤、居残り、オンコール体制 オンコール体制
早出 07:30〜16:15
日勤 08:30〜17:15
居残り 08:30〜午後の透析終了まで(多くは20時前後)

 

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業務実績(令和5年度)

持続的血液透析濾過(CHDF) 327回(56症例)
腹水濾過濃縮再静注法 11回
エンドトキシン吸着 7回(4症例)
人工心肺装置使用手術 56症例
経皮的冠動脈インターベーション(PCI) 582症例
末梢血管治療(EVT) 174症例
新規ペースメーカ植え込み術 51症例
心臓カテーテルアブレーション 157症例
PCPS 13症例
IABP 38症例

保有資格

透析技術認定士 2名
体外循環技術認定士 3名
3学会合同呼吸療法認定士 2名
臨床ME専門認定士 1名
ITE(心血管インタ-ベンション技師) 3名
周術期管理チーム認定臨床工学技士 2名
第1種ME技術実力検定 1名
第2種ME技術実力検定 5名
臨床検査技師 2名

 

血液透析業務

当院の人工透析センターはベッド数40床(透析装置40台)があり、多くの透析患者様が通院されています。
臨床工学技士の業務は治療介助(穿刺)、透析装置トラブル対応、機械準備、水質検査等を行っています。また、血液透析以外に血漿交換や血漿吸着などの各種アフェレシス治療、腹水濾過濃縮再静注法なども行っています。医師、看護師と共に安全で質の高い透析治療を提供できるように努めています。
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手術室業務

人工心肺業務

心臓手術では、一時的に心臓を止めなければならない場合があります。その場合に人工心肺装置と呼ばれる心臓と肺を代行させる装置を使用します。臨床工学技士は、この装置をはじめとして心臓手術に関わる機器の操作を行います。
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自己血回収業務

自己血回収装置とは、手術中の出血を装置に回収し血液を濃縮・洗浄することにより、患者様の血液を再び体内に返血することのできる装置です。主に心臓手術、整形外科手術で装置の準備と操作を行っています。

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その他

術中ナビゲーションシステム、術中神経モニタリング(MEP)などの準備、麻酔器や電気メスの各種機器の日常点検・定期点検を行っています。

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呼吸管理業務

  人工呼吸器は生命維持管理装置の一つであり、使用を間違えれば致命的な影響を及ぼす機器です。当科では人工呼吸器の中央管理を行い、貸出から回路のセッティング、始業点検をはじめ、毎日のラウンド使用中点検、定期点検などを行っています。また、呼吸管理の相談や教育にも力をいれています。呼吸器内科医師、3学会合同呼吸療法認定士の臨床工学技士と認定看護師および理学療法士を中心に当院の呼吸管理が安全に施行されるようRST(Respiration Support Team呼吸ケアサポートチーム)として活動しています。院内はもちろんのこと在宅呼吸管理も積極的に行っています。

RST

心臓カテーテル検査業務

狭心症や心筋梗塞に対して足の付け根や手の動脈からカテーテルを挿入して心臓の冠動脈まで到達させます。そして造影剤を使用しX線透視化で撮影し検査、治療を行います。最近では心臓の血管だけでなく下肢などの末梢血管に対してのカテーテル治療も多く行っています。

臨床工学技士は、ドクターのサポートとして清潔操作やIVUSという超音波を使った機器を操作し、血管内検査をします。これにより、血管の大きさや動脈硬化によって出来る血栓やプラーク性状を把握し、的確なバルーンやステントの選択が出来ます。また、急変時および重症例には心臓の機能をサポートする補助循環装置や、体外式ペースメーカーの操作も行います。
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不整脈関連業務

カテーテルアブレーション業務

カテーテルアブレーション治療は、カテーテルと呼ばれる細い管を心臓内に挿入し、不整脈の原因となる心臓の異常な電気回路を断ち切る治療です。当院では2019年末からカテーテルアブレーション治療が開始されました。臨床工学技士は、心内心電図の解析、3Dマッピング装置・刺激装置等の操作を行います。

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ペースメーカー業務

ペースメーカーの植込み手術に立会い、プログラマーを操作して患者様に最適なペースメーカーの設定を行っています。その他に、ICD(植込み型除細動器)、CRT-D(両室ペーシング機能付き植込み型除細動器)等も取り扱っています。

また、遠隔モニタリングも実施しています。ペースメーカーを植え込みされた患者様のご自宅に送信機を設置して頂くことによって、ペースメーカーの状態(データ)を当院に送信することができます。患者様の通院回数が減らすことが可能であったり、ペースメーカーの異常を早期に発見できるメリットがあります。このデータを臨床工学技士が解析し、異常があれば医師、メーカー等と相談し適切な対応を取ります。

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機器管理業務

機器管理システムを利用して購入から廃棄までの間の保守点検履歴管理や添付文書管理を行っています。貸出機器管理では院内ネットワークを利用して各端末から貸出状況がリアルタイムに確認できるようになっています。

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ICU業務

急性血液浄化業務

急性血液浄化とは総称であり、多種多様の病態に対して血液浄化方法を選択して血液中から病因物質を除去します。CHDF(持続的血液透析濾過)、PE(血漿交換)、PA(血漿吸着)などと呼ばれる方法があります。臨床工学技士は治療準備から機器トラブル等に対応しています。

補助循環業務

補助循環装置とは、急性心筋梗塞などで心臓の機能が極度に低下した患者様に取り付け一時的に心臓のポンプ機能を補助する装置です。当院では、IABP(大動脈バルーンパンピング)、ECMO(体外式膜型人工肺)の保守、点検、操作を行っています。なお、ECMO施行時には24時間体制で管理をします。

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教育・研修

定期的に各病棟のスタッフを対象にした勉強会を開催し、スタッフのレベルアップを目指しています。さらに地域の訪問看護ステーションや各種事業所からの研修会の依頼も受け付けております。全国各地で学会発表も積極的に行っており、院内・外問わず実績を残しております。

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論文・学会

 論文・学会発表につきましては、下記リンクをご参照ください。

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