放射線技術科

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保有資格

医学物理士 1名
放射線治療専門放射線技師 4名
放射線治療品質管理士 4名
第1種放射線取扱主任者 1名
第2種放射線取扱主任者 1名
検診マンモグラフィ撮影技術・精度管理認定 4名
磁気共鳴(MR)専門技術者 1名
核医学専門技師 1名
X線CT認定技師 3名
救急撮影認定技師 2名
臨床実習指導教員 2名
日本診療放射線技師会シニア技師 2名
MR技能検定3級 1名
医療画像情報精度管理士 4名
放射線機器管理士 2名
放射線管理士 2名

 

一般撮影

 放射線を使う検査の中で、みなさんが一番に思い浮かべるのがこの検査ではないでしょうか。
 通常、病院などで身体の撮影に使われている放射線は、いろんな放射線の種類がある中でも、X線と呼ばれているものです。そのX線を利用して撮影します。胸部、腹部、頭部、脊椎、手足等いろんな部位を短時間で検査することができます。
 妊娠中の方、又は妊娠の可能性のある方は検査の前に担当者にお知らせください。

一般撮影装置
一般撮影装置

一般撮影装置・パノラマ装置
一般撮影装置・パノラマ装置

FPD搭載一般撮影装置(診療支援棟)
FPD搭載一般撮影装置(診療支援棟)

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X線TV透視

 名前のとおりX線を用いて身体の中を透視し、その様子をTVモニターで観察しながら写真を撮ることができます。また、X線透視を行いながら治療も行います。
 (1)の装置では消化器系を中心に使用され、胃の健診で行われるバリウムを用いての胃の透視検査や、造影剤という薬を用いての食道・胃・腸の動きを見る検査、肝臓や膵臓、胆嚢や胆管などの検査、治療に使用されています。
 (2)の装置は、H24年3月、老朽化に伴い、従来とは異なるタイプのフレキシブルな方向へX線が出力できる装置へ更新しました。その装置は外科系を中心に使用され、主に骨折や脱臼の整復治療や、脊椎や関節に造影剤を注射しての検査、肩や腰に対して痛み止めの注射を行ったり、気管支鏡や嚥下機能に関する透視検査、また手術後の造影透視検査など、多様な検査に対応し使用されています。
  (3)の装置は、泌尿器・産婦人科専用のX線TV装置で、平成29年3月に装置の老朽化に伴い更新しました。大型フラットディテクタを搭載し、画像処理能力の向上により被ばくを抑制しながら画質の向上が望めます。
 また、内視鏡などの外部入力映像の切り替えが可能で、専用装置として使いやすさを追求し、術者、患者さんに優しい装置となっています。

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※左から
(1)X線TV撮影装置
(2)Cアーム型X線TV装置
(3)泌尿器・産婦人科専用X線TV装置
(4)胃のバリウム造影
(5)腰椎ミエログラフィ

CT検査

 CTとは、輪切りの画像を撮影する装置で、下の写真のような穴のあいた装置の中に体を入れて検査を行います。
 装置内では、その穴を中心に、X線管球(X線がでるところ)と検出器(X線を受けるところ)が回転しています。人体を通過してきたX線をコンピューターで計算処理すると、体の輪切りの画像が得られ、その画像が病気の診断や治療に使われます。

当院の現状

 現在、当院では、本館にシーメンス・ジャパン社製マルチスライス64および16列CT装置2台、診療支援棟に東芝メディカル社製マルチスライス80列CT装置1台、合計3台が稼働しています。
 マルチスライスCT装置は、短時間で広範囲を撮影するこができ、息を止めていただく時間が短いため、患者さんにとってより優しい検査が行えるようになりました。また、従来のCT装置に比べてデータ量が多く、さらに高精細な3D画像、血管像、任意の断面像をつくれるようになりました。また、動きのある心臓の血管も検査可能となり、狭心症などの診断もできるようになりました。

CT検査について

 ほとんどのCT検査はじっと動かないで寝ているだけ(また数回の息止め)で終わりますが、検査の内容によっては造影剤という薬を注射することがあります。検査時間はおおよそ5分から20分ですが、検査する部位によっては検査前の絶食が必要なことがありますので、予約時の説明をしっかりお聞きください。

64列マルチスライスCT
64列マルチスライスCT

s16列マルチスライスCT
16列マルチスライスCT

80列マルチスライスCT(診療支援棟)
80列マルチスライスCT(診療支援棟)

心臓血管3D画像
心臓血管3D画像

下肢血管3D画像
下肢血管3D画像

肝臓血管3D画像
肝臓血管3D画像

MRI検査

MRIとは

 MRI(磁気共鳴イメージング)検査は、放射線科の他の検査で紹介しているX線などを用いた検査と異なり、強い磁石と電波を用いて身体の内部の状態を検査する方法です。内容によっては注射をすることもありますが、身体を傷つけることなくじっとしているだけで、下の図のように血管の画像やいろいろな角度から、いろいろなコントラストで身体の断面の画像を撮像することができます。

3.0T-MRI装置
3.0T-MRI装置

1.5T-MRI装置(診療支援棟にて稼働)
1.5T-MRI装置(診療支援棟にて稼働)

当院のMRI装置

 当院では2台のMRI装置が稼働しています。1台はより強い3T(テスラ)の磁力でより精密に画像化することが可能な最新の技術を搭載したシーメンス社製MRI装置で、放射線科内にて稼働しています。もう1台は1.5Tの磁石の強度をもち、救急にもいち早く対応できるよう診療支援棟にて稼働し、身体のあらゆる部位を画像化でき、新しい技術も盛り込んだフィリップス社製MRI装置です。ともに、従来よりも検査を受ける方に優しいトンネル部分が大きくなった装置で、閉所に弱い方でも負担の少ない配慮された装置です。

MRI検査における注意点

 MRIで使用する磁石や電波は通常人体に影響はないとされています。しかし、検査が受けられない場合や注意が必要となる場合があります。これらについて当院では、注意事項の書いた用紙とチェックリストをお渡しし、検査前に確認していただいております。
 また、磁石を用いた装置なので磁気カードや時計などは使用不能となったり、故障の原因となりますので検査室へは持ち込めません。金属類も同じように持ち込めません。

MRI検査について

 検査中は、上の写真の装置の中に入っていただき、じっとしているだけで終わります。検査の内容によっては、息を止めてもらったり、より詳しい検査を行うために造影剤というお薬を投与したりもします。
 周囲から大きな音がして多少うるさく感じますが、その時は撮像中になります。一度の検査で数種類の撮像を行います。検査時間は内容によって異なりますが、15分~30分程度です。

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RI検査

RIとは

 RI検査とは、検査目的に応じた薬を注射したり飲んだりした後に、体の外から検査用のカメラで撮影して、その分布や機能を画像にし、身体の病気の有無を調べる検査です。薬の中には、微量の放射線を出すラジオアイソトープという物質が入っており、この放射線を利用して検査を行います。
 薬から出る放射線はとても弱いため身体への影響は非常に少なく、時間経過とともになくなっていきます。(尿や便として体外へ排出されることにより影響はさらに軽減されます。)
 ほとんどの検査は30分程度ベッドに寝ているだけで終わります。
 また、RI検査は、薬の有効期限が当日限りのものが多いためすべて予約制になっています。必ず指定の日時にお越しください。

核医学装置
核医学装置

骨シンチ
骨シンチ

脳血流SPECT
脳血流SPECT

心筋SPECT
心筋SPECT

骨密度測定

 骨密度測定というと聞きなれませんが、簡単に言うと、骨の強さ(密度)を測定し、骨粗しょう症の予防と治療に役立てるための検査です。骨粗しょう症は、骨の密度が減少し、骨がもろくなり骨折しやすくなります。
 骨粗しょう症を調べる検査には、血液を調べる方法や、超音波やX線を使う方法等があり、また検査部位も手、足、腰、関節等さまざまです。
 当院の放射線科ではより精密な検査を行うために写真のような測定機器を使い、腰および大腿骨頚部の2カ所の骨を測定しています。
 検査にかかる時間は10分程度です。

骨密度測定装置
骨密度測定装置

血管造影検査

 動脈または静脈にカテーテルを挿入し、先端を目的部位(脳、心臓、肝臓など)まで進め、血管内に造影剤を注入し血管像や腫瘍像の撮影をする検査です。この検査により、血管の狭窄や閉塞、奇形、出血性病変、腫瘍性病変等を診断することができます。
 この手技を応用したものに、血管の狭窄や閉塞に対する溶解や拡張等の血管形成術、出血性病変、腫瘍性病変・動静脈奇形等に対する血管閉塞術、腫瘍性病変への薬剤注入等があります。
 近年、機器装置・診療材料などの技術の発展により、これらの検査や治療がより安全に行えるようになりました。
 当院では、最新の血管撮影装置を診療支援棟に2台導入し、それぞれ心臓、頭部専用装置として検査、血管内治療を行っています。また、本館には腹部および四肢用血管撮影装置が設置され合計3台の装置が稼働しています。
 新たに導入した装置は今までのシングルアーム型から、最新鋭のバイプレーン型フラットパネルシステムへ更新したことにより、検査時間、被曝線量、造影剤量が低減でき、患者様負担を軽減します。また、血管内治療においては、狭くなった血管を広げたり、ステント血管拡張や血管内視鏡などで血管の狭窄を測り治療を行っています。

心臓用血管撮影装置(診療支援棟)
心臓用血管撮影装置(診療支援棟)

頭部用血管撮影装置(診療支援棟)
頭部用血管撮影装置(診療支援棟)

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冠動脈

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3DRA

3D画像
3D画像

CTライクイメージング
CTライクイメージング

ESWL

 ESWLとは、体外衝撃波結石破砕術といい、下の写真の衝撃波ヘッドから衝撃波(音波の一種)を作り出します。その衝撃波を腎結石、尿管結石、胆結石などにあてることによって結石を砕き、身体の外へ排出しやすくします。

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マンモグラフィ

 マンモグラフィとは、乳房のエックス線撮影のことをいいます。
 マンモグラフィは、触診ではわからない乳がんの初期症状の一つである「小さな石灰化」を写しだすことが大きな特徴です。
 当院ではH28年3月に装置の老朽化に伴い更新しました。新しい装置はピンクを基調とし、受診者の緊張と不安を和らげてくれています。
 新しい装置では最新機能である、乳房内部の構造を観察可能にする“トモシンセシス撮影”が可能となりました。
 “トモシンセシス撮影”とは、エックス線管球を移動しながら連続的にエックス線を照射し、異なる照射角度から複数の画像を撮影して3Dデータとして再構成します。
 通常のマンモグラフィ(2D画像)は、3次元の解剖学的情報を2次元で表示するため、乳線と病変が重なりあった画像となりますが、3D画像になることで病変位置を特定することが可能となる、最新機能です。           
 当院では、「マンモグラフィ検診精度管理中央委員会」の基準を満たした「マンモグラフィ検診施設画像認定」を取得しています。また、撮影に関しても専門の資格を取得した女性の技師を中心に検査を行っています。
 ご不明な点やご質問等がありましたら、お気軽に担当技師にお尋ねください。

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乳房撮影装置
乳房撮影装置

放射線治療について

はじめに

 近年、日本では人口の高齢化や食生活の欧米化により、がん患者数は増加しています。それに伴い放射線治療を受けられる患者さんも増加の一途をたどっています。
 放射線治療技術の進歩や装置の高精度化により、頭頚部がんをはじめ、肺がん、食道がん、前立腺がんなどへの根治的放射線治療の適応が急速に増えてきました。手術との組み合わせや化学療法との併用などにより、放射線治療の効果はさらに高くなってきています。
 さらに、放射線治療は身体に負担が少ないため、手術適応のない高齢者にも対応が可能です。また、当院の治療スタッフは、最高の放射線治療を提供できる体制を整えています。

全国がん罹患数(国立がん研究センターがん対策情報センター集計)
全国がん罹患数(国立がん研究センターがん対策情報センター集計)

放射線治療の原理

 医療現場で放射線は、身体内部の状態を画像化(X線写真、CT等)して病気を診断するためによく使われています。しかし、放射線治療に使われる放射線は診断用の放射線よりも高いエネルギーであり、身体の表面や奥にある病気を治すことができます。
 放射線を照射することによって、細胞の中にあるDNAを損傷させます。病気の細胞は正常細胞よりも放射線によるダメージを受けやすく、また、正常細胞の方が修復力が高いという性質があります。そのことを利用して、何度も繰り返すことにより、正常細胞をあまり傷つけずに病気の細胞を死滅させることができます。


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放射線治療に関わる人

<放射線腫瘍医>
 放射線腫瘍医は、主治医と連携をとりながら、患者さんの診療所見やいろいろなデータを元に、患者さんに最も適した放射線治療の方針を決定します。治療中および診療終了後も定期的に診察をして、必要に応じて処置を行います。

<診療放射線技師>(放射線治療専門放射線技師・放射線治療品質管理士)
 診療放射線技師は、放射線腫瘍医の作成した治療計画の検証を行い、安全かつ正確に照射を行います。また、治療装置の品質維持のため、精度管理や点検・保守も日々行っています。

<放射線治療担当看護師>
 放射線治療担当看護師は、治療前や治療中、治療後の診察の際に患者さんの手助けや、患者さんやご家族のケアを行います。お気軽にご相談ください。

<医学物理士>
 物理工学に基づき、放射線の医療が適切に実施されるように放射線治療の品質を管理しています。主に、医師と連携して患者さんの治療計画を作成しています。

放射線治療の流れ

(1)診察(約30分)
 医師による診察をうけていただき、治療方針を決定します。追加でMRIやPET検査を受けていただく場合もあります。

(2)治療計画用CT撮影(約30分)
 治療計画用CT撮影(Light Speed RT16:GE社製)にて治療計画CTを撮影します。体位の再現性、保持性を良くするための固定具を作成する場合もあります。

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(3)治療計画作成(1日~数日)
 治療計画用CT画像を用いて、3次元治療計画装置(Eclipse:Varian社製)にて患者さんに最適な治療計画を作成します。

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(4)治療(約15分/1回)
 毎回の治療直前にX線撮影を行い、治療計画通りの位置に照射位置がきているかを確認します。位置が正しければ、コンピュータ制御された治療システム(Clinac iX:Varian社製)により、正確な照射を実施します。

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脳定位放射線治療

脳定位放射治療とは

 病変の輪郭に合わせたX線ビームを3次元的に多方向から照射し、頭頸部の病変に対して線量を集中的に照射する治療で、一般にピンポイント照射とも呼ばれています。その照射精度は誤差約1mm以下となっています。定位放射線治療は別名・定位手術的照射(ラジオサージェリー)ともいわれており、文字通り開頭手術と同等の治療効果が期待できる治療です。また、X線ビームを多方向から照射することで重要臓器への影響を避けることが可能で、照射による副作用を最小限に抑えられます。

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治療実績

脳定位放射線治療件数(2008年11月より治療開始)
2008年 2件
2009年 13件
2010年 13件
2011年 9件
累計 37件

治療装置紹介

 当院では「アキュナイフシステム」(DIREX社製)というマイクロマルチリーフコリメータ(X線ビームの形を病変の輪郭に一致させる装置)を用いて治療を行っています。通常照射では幅5mmのマルチリーフコリメータを用いてX線ビームを形成していますが、アキュナイフでは約半分の幅2.6mmの分解能での形成が可能です。また、リーフが上下2段に直交して配置されているため、より複雑な形状を作成することが可能です。これにより、病変の形状により近いビーム形状で照射することができ、病変周囲の正常組織に対する副作用を最小限に抑えることが可能です。

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対象疾患

 脳定位放射線治療の適応となるのは、良性または悪性の頭蓋内腫瘍(原発性脳腫瘍・転移性脳腫瘍・聴神経腫瘍・髄膜腫・下垂体腺腫など)等です。また、脳深部の手術困難な病変や手術後再発症例、高齢や他疾患により手術適応外の症例に対しても治療可能です。

治療の手順

1)固定具の作成(約30分)
 歯科で行われる歯型作成とほぼ同じ方法で歯型を作成し頭部を固定します(HeadFIXシステム)。歯の無い患者さんには、シェル(プラスチック製のお面:TypeSシステム)による固定も可能です。

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2)CT撮影(約20分)
 治療計画専用のCT装置によって、固定具を装着した状態でCT撮影をします。必要に応じてMRI撮影を追加する場合もあります。

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3)治療計画の作成
 治療計画専用のCT装置によって、固定具を装着した状態でCT撮影をします。必要に応じてMRI撮影を追加する場合もあります。

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4)治療(約30分/1回)
 OBI(kV画像照合装置)にて位置確認を行った後、照射を開始します。

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ガンマナイフとの違い

 ガンマナイフは、頭蓋内病変に対してコバルト60のガンマ線を集中して照射する治療装置です。当院のアキュナイフとガンマナイフを比較すると、治療効果はほぼ同等です。ガンマナイフでは直径3cm以下の病変が適応になります。一般的に、局所麻酔による頭蓋骨のスクリュー固定を行い、1回大線量照射で治療が行われています。固定具を装着してから治療が終わるまで4~6時間かかります。
 当院のアキュナイフでは直径約9cmまでの病変に対して治療可能となっています。頭部の固定には非侵襲的な歯型による固定具(HeadFIXシステム)を採用しており、患者さんの体の負担が極めて少ない治療となっています。最初の歯型作成・CT撮影が約1時間、治療は1回あたりの照射時間が約30分で、これを3~5日間続けて治療を行います。

体幹部定位放射線治療

体幹部定位放射線治療とは

 肺がんまたは肝臓がんに対して、呼吸による病変の動きを最小限に抑えながらX線ビームを3次元的に多方向から照射し、病変部に線量を集中的に照射する治療です。これにより正常な肺を保護しながら、病変部へは高線量の照射が可能です。通常の肺への放射線治療であれば30回以上の照射が必要ですが、肺定位放射線治療では4(~10)回程度の照射で治療できます。また、早期の肺がんであれば外科的手術と同等の治療効果があります。さらに、高齢や全身状態により手術適応外の患者さんでも治療可能です。

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呼吸移動への対策

 体幹部への照射の際に問題となってくるのが、呼吸による病変の動きです。呼吸によって動く病変がX線照射野から外れないようにするには、照射野を実際の病変の大きさよりも広くしなければなりません。しかし、照射野を広くすると周囲の正常組織の副作用が大きくなってしまいます。そこで、呼吸を小さくすることで病変の動きを小さくして、それに合わせて照射野も小さくすることが可能になります。
 当院では呼吸モニタリング装置(アブチェス:APEX社製)で呼吸を管理しながら照射を行っています。アブチェスを使用することで呼吸を通常よりも小さく安定させることができ、照射する範囲を絞ることが可能です。これにより、周囲の正常組織の副作用を最小限に抑えながら、病変部へより高線量を照射することができます。

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治療実績

体幹部定位放射線治療件数(009年より治療開始)
2009年 1件
2010年 7件
2011年 7件
累計 15件

対象疾患

 体幹部定位放射線治療の適応となるのは、以下の条件を満たす疾患です。

  1. 直径5cm以内で他に転移巣の認められない原発性肺がん・肝がん
  2. 他に転移巣が認められない3個以内の転移性肺がん・肝がん
    ※高齢や全身状態により手術適応外の症例に対しても治療可能です。 

治療の手順

1)固定具の作成(約15分)
 バキュームクッション(BodyFIX)による全身固定具(型枠)を作成します。

2)CT撮影・呼吸解析(約20分)
 治療計画専用のCT装置による4次元CT撮影にて呼吸解析を行います。
 必要に応じてアブチェスによる呼吸抑制のためのトレーニングを行います。

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3)治療計画の作成
 治療計画装置で病巣の位置と大きさ、動きの範囲を決定し、患者さんに最適な治療計画を作成します。

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4)治療(約30分/1回)
 OBI(kV画像照合装置)にて病巣位置・動きの確認を行った後、照射を開始します。照射中も随時EPID(MV画像照合装置)にて病巣位置の確認を行います。

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画像誘導放射線治療

 毎回の治療時に患者さんを位置合わせする際のずれや、体内臓器(腸や膀胱など)の大きさの違いなどによって照射位置がずれる可能性があるため、X線画像を用いて放射線をより正確に病巣に照射する技術を画像誘導放射線治療(IGRT)といいます。
 IGRT では、放射線治療室で患者さんに治療を行う直前にX線撮影やコーンビームCT(CBCT)撮影、X線透視などを行い、その画像情報と3次元治療計画装置からの画像情報を比較して、病巣の位置確認や修正をしてから照射を行っています。その精度は1mm単位での修正が可能です。IGRT を用いることにより、正常組織への照射を最小限に抑えながら、病巣への放射線集中性を高めることができます。

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前立腺放射線治療

前立腺がんに対する治療

 従来、前立腺がんの治療は外科的手術によって前立腺を切除する治療が主流でした。しかし、放射線治療技術の進歩(高精度化)によって、前立腺がんへの根治的放射線治療が可能になってきました。
 治療成績を比較しても、手術と放射線治療の差は全くありません。治療後のQOL(生活の質)を比較すると、放射線治療の方が優れていると言われています。

放射線治療について

 放射線治療の目的は、「周囲の正常組織のしょうがいを最小にして、かつ病変に対して最適な線量を投与すること」です。
 前立腺の場合はすぐ隣に直腸があります。正常組織である直腸へはしょうがいの出ない最低限の線量に抑えながら、前立腺へは根治に必要な線量をしっかり照射することが必要となります。通常の照射法ではこの条件を満たす照射はとても難しく、根治に必要な線量を照射できません。
 そこで開発されたのが、強度変調放射線治療(IMRT)と呼ばれる高精度放射線治療です。この治療法では直腸の線量を抑えながら、前立腺へは根治に必要な線量を照射することが可能です。

当院の治療法

 当院では、強度変調放射線治療(IMRT)もしくは3次元原体照射(3D-CRT)による前立腺の根治的放射線治療を行っています。
 当院の3D-CRTは治療計画に多くの工夫を施すことにより、IMRTに近い線量分布を作っています。また、患者さんの病気の状態によってIMRTと3D-CRTの使い分けを行っています。

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強度変調放射線治療

 この度当院では、以前よりも準備を進めておりました腫瘍への新しい放射線治療「強度変調放射線治療(IMRT)」の施設基準を取得し、2012年7月より治療を開始いたしました。

強度変調放射線治療とは?

 強度変調放射線治療(Intensity Modulated Radiation Therapy:IMRT)とは、通常の平坦な線量分布の組み合わせではなく、コンピュータで最適化された複雑な線量分布を組み合わせて行う治療法です。この治療法を用いると、周囲への正常組織への照射を最小限に抑えながら、腫瘍へはより多くの線量を照射することができます。
 IMRTによって、従来の方法では不可能だった理想的な放射線治療が可能となり、治療成績の向上や副作用の軽減が期待されます。

治療対象となる疾患について

 IMRTの保険適応は、すべての種類の「限局性の固形悪性腫瘍」が対象です。特に当院では、前立腺がん、脳腫瘍、頭頚部がん、再照射症例などへの適応を考えております。上記以外の疾患に関しても、詳細についてはご相談ください。

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診療支援棟

診療支援棟 放射線機器のご紹介

 診療支援棟に新しく設置されました放射線機器は、1階救急初療室のすぐ隣に一般撮影室、CT室、同じフロアにMRI室を設けることにより救急患者さんの検査が集約されることとなりました。
 
一般撮影装置はSHIMADZU RAD speed
 DRシステムはFUJIFILM CALNEO Smartを導入いたしました。
 CT装置は、可変ピッチ対応のバリアブルピッチヘリカルスキャン、金属アーチファクト低減再構成処理(SEMAR)、逐次近似法(AIDR3D)、心電図同期フラッシュヘリカル等の機能が搭載されており、チルトヘリカルスキャンが可能なTOSHIBA Aquilion PRIME80列を導入いたしました。
 MRI装置については、DIR・ASL・SWI・MV・DIXONなどの新しいシーケンス が搭載され、ホールボディーの撮像も可能になり、従来の装置よりSNRが向上し、ワイドボア、ワイドFOVのPHILIPS Ingenia 1.5Tを導入し、部屋の照明も明るく、患者さんに優しい検査室となっております。

SHIMADZU RAD speed
SHIMADZU RAD speed

TOSHIBA Aquilion PRIME80列
TOSHIBA Aquilion PRIME80列

PHILIPS Ingenia 1.5T
PHILIPS Ingenia 1.5T

 診療支援棟3階には、58インチ大型モニターを搭載したPHILIPS AlluraClarity FD10/10、20/15のバイプレーン血管撮影装置を2台導入し、それぞれ心カテ、頭部の専用機として検査及び血管内治療を行っております。
 心カテ用の装置には、インターベンションに有用なステントブースト機能や、一度の造影で多方向から撮影できるXperスイング等の機能が搭載され、頭部用にはXperCT・3DRAの機能や、2Dパフュージョン、3D・骨付きロードマップ等充実したワークステーションとなっています。
 また、血管撮影室についてもOPE室、ICUと隣接しており血管障害に対する早急な治療が可能となりました。

PHILIPS AlluraClarity FD10/10
PHILIPS AlluraClarity FD10/10

PHILIPS AlluraClarity FD20/15
PHILIPS AlluraClarity FD20/15

 今後もチーム医療に貢献できるよう、新しい治療・技術の研鑽を日々積み重ね、病院理念に基づき湖北地域の基幹病院として安全・安心で精度の高い放射線技術科を目指します。

学会・論文発表

学会・論文発表につきましては、下記リンクをご参照ください。

診療サポート部門

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